こんにちは!
このブログは、「中小企業の明日を今日よりも元気にする」ノウハウを提供しています。
今日のテーマは、「そのターゲット設定で大丈夫? 性別、年齢でのターゲット設定がNGな理由」です。
ターゲット設定の目的
ビジネスを始めると必ず出会う言葉の1つに、「ターゲットは誰?」があります。
おそらく、みなさんも一度は言われた経験ありますよね?
自分でビジネスをしていて、言われたことがない人はいないぐらい、本当によく聞かれたりしますし、コンサルをしていても相談者の方にお聞きします。
でも、そもそもターゲットを絞る意味って何でしょうか?
たくさんの人に買ってほしいのに、ターゲットを絞ったら買ってくれる人が減ってしまうのでは?と、よく言われます。
しかし、老若男女で趣味も嗜好も違いますので、同じ「モノ」でもニーズが違うため、万人ウケを狙った商品は誰にも響かないモノになってしまいがちです。
オシャレ感のある商品にしたいというこだわりから、小さい横文字で余白を大きくしたデザインの商品パッケージにすると、そもそも高齢者は横文字がわからないとか、文字が小さくて読めないといった問題が出てくるので、その時点で「自分向きの商品ではないな」と思われてしまいます。
わかりやすくするために極端な事例でお伝えしましたが、程度の差こそあれ、ターゲット設定がないからブレてしまっている商品にはよく出会います。
モノはいいだけに、本当にもったいない!!
だからこそ、しっかりとターゲットを決めて、売れる商品になることを願ってやみません。
では、実際にターゲットはどう決めていくべきかを考えてみましょう。
性別、年齢でターゲットを決めるのがNGな理由
「ターゲットは誰ですか?」と質問した時に、
ターゲット設定をしている方の99.9%は以下のように答えます。
という、年齢層や性別でセグメントしたターゲット設定です。
マーケティング上重要なフレームワークとしてSTP分析というものがあります。
STP分析とは?
Segmentation(市場細分化):
顧客を属性でわけすること
Targeting(ターゲット設定):
細分化した顧客のうち、狙う顧客属性を決めること
Positioning(ポジショニング):
競合と被らない立ち位置を決めること
その影響もあってか、ターゲットをいきなり属性でわけて決めてしまいがちですが、
それは第2ステップでやる作業で、その前に最初にやるべき顧客設定があります。
それは、どんな悩み・課題を持った顧客に売りたいか?です。
詳しくは、なぜ消費者はお金を払うのか?【マーケティング心理】という記事をお読みいただきたいのですが、消費者は悩みや課題があるからお金を払って、それを解決しようとしているのです。
だから、まずは共通の課題をもつグループをターゲットに決めた上で、その中で最も商品を必要としてくれるのはどんな属性か?という順番でターゲット設定することをオススメしています。
潜在課題を解決したレトルトカレー「食べ方チョイス」
では、具体的な事例を見ながら解説していきます。
エスビー食品さんが、2018年2月に「食べ方チョイス」というレトルトカレーシリーズを新発売しました。
この商品のユニークな点は、少量である点です。
一般的なレトルトカレーは150〜200g入ですが、この「食べ方チョイス」は、65〜75g入で、通常の半分以下の量になっています。
エスビー食品さんは、「食べ方チョイス」のプレスリリースで以下のように言っています。
天下のエスビー食品さんは、属性ではなく、ニーズを元にしたターゲット設定をしていることがおわかりですか?
つまり、いろいろな種類のカレーを一度に食べたい人は、20代女性には限りませんし、少量のカレーで十分なのは、ダイエット中の若い女性もですが、食が細くなった高齢者にもニーズがありますよね?
これが、いきなりターゲットを属性で絞ることがNGな理由です。
つまり、ターゲット設定の基本は、属性ではなく、共通のニーズや課題をもつグループに設定するということです。
属性による絞り込みは、それからにしましょう。
まとめ
今日は、「そのターゲット設定で大丈夫? 性別、年齢でのターゲット設定がNGな理由」というテーマで書いてきましたが、ご理解いただけましたか?
では、今日のまとめです。
・万人ウケを狙った商品は誰にも響かない
・年齢性別でいきなりターゲットを絞らない
・共通の課題やニーズがある顧客グループをターゲットとして設定する
・具体的な属性によるターゲットの絞り込みはそのあとに行なっていく
今日の内容は以上です。
次回は、「ターゲットは、たった1人に絞ろう」というテーマで、ペルソナ設定の重要性などをお話ししていきます。
では、みなさんのビジネスの明日が今日よりも元気になっていますように!